[速報]Google、AWS対抗をあらわにした値下げと新価格体系を発表。継続利用で自動値引き
Googleは3月25日(日本時間3月26日早朝)にイベント「Google Cloud Platform Live」を開催。クラウドに関する新価格および新価格体系を発表しました。
発表では名指しはしないものの、つねにAmazonクラウドよりも安価かつシンプルなものであることが強調されており、Googleがクラウド市場において本気で攻めの姿勢を見せたことが強く印象付けられました。
特に標的となったのが、予約金を払うことで利用料金が安くなる「リザーブドインスタンス」と、データ分析サービスの「Amazon Redshift」。リザーブドインスタンスについては、クラウドの価格体系を複雑にしていると切って捨て、よりシンプルな価格体系として継続利用値引きを提示。Amazon Redshiftに対してはBigQueryの大幅値下げと処理性能の向上で対抗しています。
クラウドの価格もムーアの法則に従うべき
Google シニアバイスプレジデント Urs Hölzle氏。
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クラウドの仮想マシンの価格は1年ごとに6%から8%ずつ値下がりしているが、一方で物理サーバの価格は1年ごとに20%から30%ずつ値下がりしており、しかもフラッシュストレージなどの価格はさらに劇的に下がっている。
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もちろんサーバを稼働させるためには電力コストや運用担当者のコストなどがかかるが、それらを考慮してもこのギャップが埋まるほど大きくはない。クラウドの価格もムーアの法則に従うべきだ。
そこで私たちはクラウドの価格について2つの発表をする。即時の値下げ、および継続利用における値引きだ。
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即時値下げの発表
まず即時値下げの発表。Google Compute Engineの価格を、すべてのリージョン、インスタンスサイズ、クラスで最大32%値下げする。これは競合他社の3年リザーブドインスタンスよりも安い。
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Google Cloud Storageは最大68%の値下げを行う。
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BigQueryは最大85%の値下げを行い、誰でも使いやすい価格になった。
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競合他社の同様のサービスは8万ドル以上のコストがかかるが、BigQueryは2万ドルで利用できる。私たちのサービスは競合他社よりも75%も安価だ。
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予約による値引きを否定。クラウドの継続利用で値引き
クラウドの価格にはまだ課題がある。もともとクラウドというのは、前払いや予約などしなくても、いつでも安価なコンピューティングリソースが調達できるはずだったのではないか。
しかし現実には、3年分のコンピューティングリソースを利用するのに、いったいどのプランをどれだけ予約しておけばいちばん安く上がるのか、最適解を得るのが非常に複雑になってしまった。
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私たちは、前金不要、ロックインなし、シンプルな価格体系を原則にすべきだと考えている。
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そこで発表するのが継続利用における値引きだ。
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これは仮想マシンを月の25%以上利用し続けていると、自動的に値引きが行われるというものだ。30%の値引きが行われる。
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私たちは、もともとクラウドが提供しようとしていたものを、即時値引き、シンプルな価格体系、予想可能な料金、ムーアの法則に従う価格といった原則によって提供していきたい。
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