EMC、アンディ・ベクトルシャイム氏のフラッシュストレージ企業DSSDを買収。桁違いのIOPS実現へ。EMC World 2014
アンディ・ベクトルシャイム氏はサン・マイクロシステムズをビル・ジョイ氏らと設立し、まだ設立される前のGoogleの最初の投資家となり、最近では超高速のネットワークスイッチベンダのアリスタ・ネットワークスを起業するなど、IT業界ではすでに伝説的とも言える存在です。
そのベクトルシャイム氏が関わるフラッシュストレージの企業DSSDを、ストレージ大手のEMCが買収したと、ラスベガスで開催中のイベント「EMC World 2014」で発表されました。
DSSDの会長であるBill Moore氏はEMCでDSSDビジネスを主導し、DSSDチェアマンのベクトルシャイム氏は戦略的アドバイザーとなる予定。
DSSDが開発中のフラッシュストレージは来年出荷予定ですが、具体的にどのような製品なのか、その詳細は明らかにされていません。EMC CEOのDavid Goulden氏は、EMCが買収したDSSDが開発中の製品を「サーバサイドフラッシュの次章(The NEXT Chapter)を開くものだ」と説明しています。
サーバサイドフラッシュの次章を開くDSSD
Goulden氏は、現在のサーバサイドフラッシュについて、素晴らしい性能を得られる一方、容量は限られており、サーバ内蔵のためストレージがサイロ化してしまい、また最適化のためには独自APIが用いられると説明。
いまDSSDが開発しているフラッシュストレージは「ラックスケールフラッシュストレージ」であるとし、現在のものとは桁違いのIOPS、帯域幅、レイテンシを実現し、数百テラバイトもの容量をストレージもしくはメモリの代わりに使え、共有ストレージ同様の管理とAPIが実現されているという。
そしてこのストレージはSAP HANAのようなインメモリデータベースやHadoopのような大規模データ分析アプリケーションの性能を加速するような用途をターゲットにしているとのことです。
ベクトルシャイム氏の次の革新とは
ベクトルシャイム氏は冒頭に書いたように、これまで何度も革新的なソフトウェア、ハードウェアを実現してきました。彼がフラッシュメモリという新しいデバイスを用いてストレージをどのように革新していくのか、製品の登場が非常に楽しみです。
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