OpenStack、7番目の新バージョン「Grizzly」がリリース。ESX、KVM、XEN、そしてHyper-Vのサポートが追加
オープンソースで開発されているクラウド基盤ソフトウェアのOpenStackの7番目となる新バージョンの「OpenStack 2013.1」、コード名「Grizzly」が4月4日にリリースされました。
Grizzlyでは、ハイパーバイザとしてESX、KVM、Xenに加え、新たにマイクロソフトのHyper-Vをサポートするようになりました。これで主要なハイパーバイザの混在環境でのクラウド構築を実現できるようになりました。
公開されているリリースノートから、主な新機能をピックアップします。
スケーラビリティや可用性の向上
コンピュート機能(Nova)では、スケーラビリティを拡張する新機能の「Cell」が搭載されています。Cellは大規模に分散されたデプロイを実現する機能で、地理的に分散された複数のセルを統合して管理できる機能と説明されています。
アベイラビリティゾーン機能は、これまで設定ファイルでしか設定できなかったものがAPIで設定できるように拡張されています。MySQLコネクタの性能も改善されているとのこと。
オブジェクトストレージ機能(Swift)にはクオータ機能が追加。CORS(Cross-Origin Resource Sharing)に対応したことで、ブラウザからオブジェクトストレージのリソースへ直接アクセス可能になります。
ブロックストレージ機能(Cinder)ではファイバーチャネル経由のアタッチが可能になり、Swiftへのバックアップも実現。EMC VNX/VMAX、HP 3PAR、GlusterFSなどのドライバが新しく追加されています。
ネットワーク機能(Quantum)では、DHCPサーバの分散配置による高可用性を実現。セキュリティグループの追加や、ロードバランスサービス(Load-balanceing-as-aService)の提供などが追加されています。
また、Quantumに対するプラグインとしてBig Switch、Brocade、Hyper-V、Midonetなども追加されました。
そのほかにも多数の機能追加が実現されていますが、全体としてはさらなるスケーラビリティと可用性の向上にポイントが置かれたと見ていいでしょう。詳しい追加機能はReleaseNotes/Grizzlyから参照できます。
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