ITリーダーには、増えないIT予算の中での取捨選択の決断がより強く求められる。ガートナー、2013年以降の国内IT支出予測
「ユーザー企業のITリーダーには、増えないIT予算の中で、投資案件の取捨選択の決断がより強く求められる。そのためには、ITのコスト (総合保有コスト) と投資効果の両方を『見える化』する必要がある」。ガートナーは国内IT支出予測を発表。国内のIT投資はほぼ横ばいになるだろうと見通しを伝えました。
予測によると、2013年以降のIT支出は年0.6%程度の上昇にとどまり、ほぼ横ばい。ハードウェアや通信への支出が減少する中、ソフトウェアやITサービスへの支出が増えます。
サーバ仮想化は急激に増加
新規投資、追加投資について1000人以上の規模の企業への調査では、次のような特徴が示されています(抜粋)。
「サーバ仮想化」の投資を計画する企業は2010年投資計画あたりから急激に増え始め、2013年投資計画でさらにその数が増えた(略)。
企業でのモバイル (タブレット端末やスマートフォン) の利用率は大きく高まり、新規や追加で投資する企業は急速に増えている(略)。
「事業継続計画・管理/災害復旧対策」に投資の計画があると回答した企業の割合は、東日本大震災前の調査では10%程度しかなかったのが(略)、2012年の投資計画では一気に4倍近くに増えた。震災後8カ月が経過した調査時点でも、各地で大地震が起きる可能性が高くなったとの報道が頻繁にあり、それが後押しをしたとみている。一方で、その1年後の調査 (2013年の新規・追加投資案件) では、一気に13ポイントも減少した。
ハードウェアへの投資が下がっている中でモバイルへの投資が増加するということは、サーバやネットワーク機器などへの支出は低下し、その分がモバイル関係に当てられることになるのでしょう。また、仮想化やソフトウェアへの投資は増えている点は、仮想化というあらたなインフラのうえに対応した新たなソフトウェアへのニーズも出てきているということなのかもしれません。
一方で、東日本大震災をきっかけに急激に進んだデータセンターなどへのシフトは一段落し始めているようです。
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