VMware、新技術「ユーザーインターフェイス仮想化」を披露。クライアントハイパーバイザの中央管理も。VMworld 2012
VMwareがサンフランシスコで開催中の「VMworld 2012」。2日目の基調講演では、新しい2つのテクノロジーが披露されました。
1つはクライアントハイパーバイザを中央管理する「Mirageテクノロジー」、そしてもう1つは、Windowsのユーザーインターフェイスを仮想化し、タッチ対応にしてしまうという「Project AppShift」です。
二日目の基調講演からハイライトを紹介します。
買収したWanovaの技術でクライアントVMを集中管理
VMware CTO、開発部門シニアバイスプレジデント Steve Herrod氏。
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モバイルデバイスなどの登場で、さまざまなデバイスが混在する環境となった。
そうしたマルチデバイス環境に対してもデスクトップ仮想化のVMware Viewでアプリケーションをデリバリできる。
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しかしデスクトップ仮想化にも課題はある。オフラインのときにどうするか? その解決策としては、みなさんクライアントハイパーバイザをご存じだろう。
ここで新しい技術を紹介したい。先日買収した企業、WanovaのMirageテクノロジーだ。
これはデスクトップの仮想化イメージから、ユーザーのプロファイルやドキュメント、イメージといったものを分解して取り出し、別のデスクトップ仮想化イメージに展開していく。
これによって、クライアントハイパーバイザによるオフラインでの実行と、必要なデータのみを中央管理してバックアップやセキュリティの管理の双方が実現できる。
XPから7へ、同一環境でアップグレード。MacでもVMを実行
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デモを見てもらおう。いまクライアントハイパーバイザ上のWindows XPで作業中だ。ここからWindows 7へインプレイスアップデートできる。
ユーザープロファイルやデータなどを、管理サーバ側でWindows 7のデスクトップ仮想化イメージに組み込んで配信するだけだ。もちろん壁紙などのユーザープロファイルや作業中のデータはWindows 7でもそのままの状態。
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もしもWindows 7に切り替え後に問題が発生した場合、以前のWindows XPのイメージに戻すこともできる。
おっと、いま作業していたノートPCを転んで壊してしまった。
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Mirageテクノロジーではデータをサーバと同期させているので、こんなときでも大丈夫。別のノートPC上で同じ環境を再現できる。
MacBook Airだとしても、VMware Fusionでさきほどと同じイメージを実行できる。
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ユーザーインターフェイスを仮想化、タッチ対応に
デスクトップ仮想化の課題の1つは、Windowsをタブレットのようなタッチ&ポイント型のデバイスで使うときの使い勝手だ。
そこで、ユーザーインターフェイスの仮想化、Project AppShiftを紹介したい。これはWindowsデスクトップやアプリケーションのユーザーインターフェイスの主要な部品を変換する。
この画面でスタート画面がスワイプでき、タッチでアプリケーションが起動する。
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アプリケーションの切り替えは、カバーフローのようになっている。
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テキストの選択のような操作も、タッチ操作しやすいようになっている。
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これはまだ第一歩であり、今後さらに進化させていく。
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