SAPが披露したSaaSの「Sales OnDemand」は企業内ツイッター内蔵。セールスフォースのライバルになるか?
SAPはドイツで行われたイベント「CeBIT 2011」で、現在同社が開発中のSaaS(Software as a Service)で提供されるSFA(Sales Force Automation)アプリケーション「Sales OnDemand」を披露しました。
SaaSによるSFAアプリケーション市場では、すでにセールスフォース・ドットコムが「Salesforce CRM」で大きなシェアを獲得し、マイクロソフトも「Dynamics CRM Online」を投入しており、SAPの「Sales OnDemand」はこれらと競合するサービスと位置づけられます。
SAPによると、Sales OnDemandの強味は同社の業務アプリケーションパッケージであるSAP Business Suiteとの親和性です。そしてSales OnDemandのコンセプトは「Facebook for business」で、画面を見るかぎりChatter機能を備えたSalesforce CRMに近いものになっています(Chatterは、セールスフォース・ドットコムCEO マーク・ベニオフ氏の「なぜエンタープライズソフトウェアはFacebookのようにならないのか」という考えの基に開発されたもの)。
Sales OnDemandがどのような機能を持つものなのか、同社のデモ画像から簡単に紹介しましょう。
最初の画面でフィードが表示され、ツイッターのように会話する
Sales OnDemandは「ヒューマン・セントリック」に機能が設計されているとのことで、以下がそのデフォルト画面。ツイッターやFacebookあるいはChatterのように、自分がフォローしている従業員、顧客、ドキュメント、レポートなどの情報がフィードとして表示されています。画面右側には、コンタクトリストとして従業員一覧も表示されています。ここでツイッターのように関係者とコミュニケーションが可能。
フィード上の顧客名をクリックするか、顧客一覧から顧客をクリックすると、その顧客の情報画面にジャンプします。顧客の画面では基本情報のほかに、その顧客に関する最近のアクション、最近の売り上げグラフなどが表示されます。
企業内ツイッターは、Yammerやセールスフォース・ドットコムのChatter、そしてこのSales OnDemandをはじめ、マイクロソフト、オラクルなどもその機能を備えた製品を開発中ですが、先行するChatterやこのSales OnDemandの機能を見ると、単に人やグループ、ドキュメントをフォローするだけでなく、企業内外の関連する情報システムと連係することができて当然、という流れになっているようです。これにより、ユーザーごとのタイムライン(あるいはアクティブストリーム)が新たな企業内ポータルの位置づけになっていくのかもしれません。
独SAPの発表では、Sales OnDemandは、iPhoneやiPad、Android、BlackBerryなどのモバイルにも対応し、今年の第2四半期に公開を予定しています(日本でのアナウンスはまだないようです)。
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