プログラマを一生の仕事にできるビジネスモデルで目指す未来のビジョン(夢に挑戦できる社会にする編)
SIビジネスの本質は保険屋であり、受託開発でアジャイル開発が失敗するのは受託開発が製造業だから。11月19日に行われた楽天テクノロジーカンファレンスでの講演「プログラマを一生の仕事にできるビジネスモデルで目指す未来のビジョン」では、ソニックガーデン代表取締役社 倉貫義人氏によるこのような示唆に富む内容が語られました。
さらに倉貫氏は、ソニックガーデンで行っているクラウド時代の受託開発の新しいモデルについても詳しく紹介しています。
同氏の講演の内容を、配信されたUstreamの動画を基にして紹介しましょう。
(本記事は「プログラマを一生の仕事にできるビジネスモデルで目指す未来のビジョン(クラウド時代の受託開発編)」の続きです)
ソニックガーデンの3つのビジョン
ようやくここまできてソニックガーデンを理解してもらえたと思うのですが、そのビジョンは3つあります。顧客企業の真のパートナーになること、プログラマを一生の仕事にする。それもコードを書くだけじゃなくてお客様と一緒に要件定義するところからサポートまでがうちのプログラマの仕事になります。そして、いつまでもいつからでも夢に挑戦できる社会にする、というところです。
上の2つは、パートナーシップモデルでお分かりいただけると思うのですが、3つめのビジョンを達成するためのものが「スタートアッププラットフォームモデル」です。
Webの新サービスをやろうとしたときに、必要なのはだいたいが人件費なんです。なのに事業計画をみるとすごくお金をかけたりして、ホールインワンを目指すようで、スタートアップはまだ産業じゃなくてギャンブルになっている。
そういう状況だとスタートアップたくさん出てきてください、というのがみんなでギャンブルやろうぜって言う感じで好きじゃない。
じゃあなにが足りないかというと経験と学び。お金がないわけじゃなくて、失敗する経験や次に活かすための時間が足りないのではないかと思っていて、時間が足りないって若いうちなら起業できるけれども歳をとってからだとなかなか難しくて、家族を犠牲にして起業もしにくくなりますし。
じゃあどうすればいいかというと、ソニックガーデンのさきほどのパートナーシップモデルは、実はプログラマが5社6社を担当すればそれなりのギャランティになるけれど、1社、2社でも生活できるくらいになる、そうすると週の半分が空き時間になる、その空き時間で何をするかというと自社サービスを作ればいい、スタートアップにすればいい、そうするといつまでも挑戦ができるのではないか。というもの。
プログラマをスターにしたい
最後、プログラマをスターにしたいなと。プログラマはマニュアル化のできないナレッジワーカーだと。ナレッジワーカーはどこでも、いつでも働けると思ってます。
ナレッジワーカーはマネジメントできない。マネジメントできないならしなければよくて、マネジメントしないためには大企業をやめればいいと。
つまりナレッジワーカーの会社は、すべからく小さな会社でいいのではないかと思います。
いまはソーシャルメディアができて、いい仕事をする人はちゃんと評価される時代になってきた。会社も個人の顔が見える範囲の会社で十分ではないかと思っています。
そして、3つのチェンジ。変化を受け入れ変わっていくこと、変化を恐れず自ら変えていくこと、自らの変化を周囲に広げていくこと。この3つのチェンジが実現できればいいかなと思って話していて、こういうことがお伝えできればいいかなと思っています。
(会場から質問)月額定額のとき、インフラコストはどっち持ちですか?
実費でお客様持ちです。
(会場から質問)顧問のように人がつくとき、お客様からあれもやってよこれもやってよ、といわれてしまうと思います。そのときのさばき方はどうしていますか?
営業はいないのですがファシリテータがいて、そこがお客様とのあいだを取り持つことになっていて、お金これくらいもらっているからこれくらいでいいでしょ、ということをいえるようになっています。
(講演のスライドがここで公開されています)
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