データベース管理者にとって今年の課題とは? これからインパクトがある技術とは? クロスプラットフォームの管理とクラウドでの運用
データベース管理者にとって、今年最大の課題は複数のプラットフォームに分散したデータベースの管理。これからの技術でもっともインパクトがあるのは、クラウド対応のデータベース。米エンバカデロ(旧ボーランド)が昨年、1000人以上のデータベース管理者や開発者を対象に行った調査で、このような結果が明らかになりました。
エンバカデロが公開した「Database Trends Survey」は、データベース管理者を中心に1230人以上の回答をまとめたもの。データベース管理者中心の調査はあまり聞いたことがありません。いまデータベース管理者がどのような状況に置かれているのかが分かる資料といえます。一部抜粋して紹介しましょう。
企業の重要なシステムはOracle、SQL Server、Sybaseが圧倒的
データベース管理者の仕事として、5年前よりもSQLチューニングが増えている、という質問にイエスと答えた人がノーを上回っています。開発者が組むSQL文が以前よりイマイチになっている、ということでしょうか。あるいは性能向上の要求が厳しくなっているのでしょうか。
データベースに対する調査では面白い結果が出ています。まず、どのデータベースを使っていますか? という質問に複数回答で答えた場合、SQL Serverが62%、Oracleが60%と2つが抜け出していて、Sybaseが35%、Accessが20%、MySQLが19%という順位。
ところが「仕事のプライマリとなっているのは?」という一択の質問では、Oracleが明確に1位となり、SQL Server、Sybaseがそれに続きます。そして4位以下とは大きな差がついています。
企業の重要なシステムではOracle、SQL Sever、Sybaseが(この順で)非常に強い、ということを示していると推測できます。
企業は複数のデータベースを使い続けている
続いて、いくつのデータベースプラットフォームを管理しているか? という質問。1種類だけは20%以下。2種類や3種類、5種類以上という返答もあります。一人のデータベース管理者が複数のデータベースプラットフォーム(OracleやSQL Serverなど)の面倒をみているということでしょう。
そして、何種類のバージョンを組織内で動かしているか? との質問には、3種類以上というのがいちばん多い答えでした。つまり企業内には、さまざまなバージョンのデータベース、例えばOracle 9iとOracle 11gとか、そうしたものが混在して運用されているのが現実。
この2つの答えから見えてくるのは、要するに企業内には種類もバージョンもばらばらな複数のデータベースプラットフォームが稼働していて、データベース管理者はそれらをまとめて管理している状況にある、ということでしょう。
課題はクロスプラットフォーム管理とクラウド利用
今年(調査は昨年行われたので設問中では来年)の課題は何か? との質問にはクロスプラットフォームデータベースの管理がトップ。2番目はチューニングとなっています。3番目がクラスタ。データベースチューニングは永遠の課題であり、しかも5年前より増えている状況の中、それを押さえてデータベース管理がトップになるというのは、課題の重要さが伝わってくるようです。
これからのテクノロジーで重要だと思うものは? との質問には「クラウドでのデータベース利用」(Database in the Cloud)がトップ。2番目が仮想化、3番目がSSDでした。
エンバカデロはクロスプラットフォーム対応のデータベース管理ツールも販売しているので、こうした調査を元に「だから管理ツールは大事なんだよ」ということをアピールしたいのではないかと思われますが、それでもこうしたデータベース管理者の問題意識が伝わってくる調査結果には興味深い点が数多くありました。
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