オラクルがNoSQLに本気。エンタープライズ向け「Oracle NoSQL Database 11g」公開。オープンソース版も登場
米オラクルはエンタープライズ向けNoSQLデータベース「Oracle NoSQL Database 11g」の公開を発表。評価版の無償ダウンロードを開始しました。オープンソースライセンスに基づくコミュニティ版も準備中(10月26日現在、ライセンス承認待ち)とのことです。
Oracle NoSQL Databaseは、同社のキーバリューストアであるOracle Berkeley DB Java Editionをベースに、分散処理機能、ロードバランス、管理機能、マルチノードバックアップ機能などを追加したもの。大規模なデータを高速に扱うことができ、高い可用性とスケーラビリティを実現すると説明されています。
分散キーバリューストアで単一障害点を排除
NoSQL Databaseの基本的なアーキテクチャは、プライマリキーのハッシュによって指定されたノードにキー/バリューのペアを書き込む分散キーバリューストア。ノードごとの負荷に応じ最適なノードに対してデータを読み書きするロードバランス機能も備えています。
シングルマスター/マルチレプリカ方式で、マスターノードが落ちたときにはPAXOSベースの自動フェイルオーバーを行い、単一障害点の排除と可用性を実現しています。また、一貫性のレベルをアプリケーションの要件によって強い一貫性から弱い一貫性まで設定可能です。
NoSQLをエンタープライズシステムに組み込む
オラクルはNoSQLデータベースを、同社のビッグデータ戦略の一部として展開しています。
オラクルは、これからの企業がソーシャルネットワークからのデータ、デバイスから生成される位置情報などのデータ(=ビッグデータ)を、自社のビジネスデータや顧客データと組み合わせて分析するようになると考えており、そうした大量かつ多様なデータを受け取るアプリケーションの高速なバックエンドデータベースとして、NoSQLデータベースを位置づけています。
CassandraなどほかのNoSQLデータベースと比べると、Oracle NoSQL Databaseがシンプルなデータ構造のまま分散キーバリューストアが持つスケーラビリティと可用性、性能を活かしたアーキテクチャに見えるのは、こうした要件を想定したからだといえるでしょう。
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