Heroku、クラウドでJavaのサポート開始。J2EEには背を向ける
クラウドでRuby on Rails、Node.js、Clojureをサポートするなど、先進的な言語対応を進めてきたHerokuが、Javaのサポートを発表、パブリックベータの提供を開始しました。
JavaアプリケーションサーバとしてJettyを採用。J2EEの方式には依存せず、Spring RooフレームワークやORマッピングにHibarnateなどが使えると説明されています。
Herokuは、J2EEのモデルはパッケージソフトウェアの時代のものであってSoftware-as-a-Serviceには合わない。その失敗をクラウドのイノベーションで立て直すのだと、次のようにブログに書いています。
In recent years, J2EE vendors have attempted to fix the problems (including a re-branding from J2EE to JEE). Unfortunately, it was too little too late. The Java space is now ripe for disruptive innovation by cloud application platforms.
ここ数年、J2EEベンダはこの問題を修正しようとしてきた(それにはJ2EEをJEEへとブランディングしなおしたことも含む)。しかし残念なことにもう遅すぎる。Javaの世界はクラウドアプリケーションプラットフォームによる破壊的なイノベーションによって実りあるものになるのだ。
クラウドでJavaのフレームワークはどうなる?
Herokuを昨年12月に買収した米セールスフォース・ドットコムは、Javaをサポートする[ VMforce」を昨年4月にVMwareとの共同プロジェクトとして発表していました。しかしその後VMforceの進展はほとんど見られません。
セールスフォース・ドットコムはHerokuがJavaをサポートしたことで、独自のJava対応クラウドを手にすることができ、一方でVMwareは今年4月にJava、Ruby on Rails、Node.jsなどをサポートするPaaSの「Cloud Foundry」を発表しています。
両者がVMforceを推進する理由はなくなり、それぞれ独自のPaaSにより競合していくことになるのでしょう。
Javaに対応した主なPaaSは、Google App Engineが2009年に開始して先行、前述のように昨年4月にはVMforceの発表があり、今年2011年にはAmazonクラウドが「Beanstalk」を1月に発表。レッドハットも5月に「Open Shift」を発表、そして今回のHerokuと続きます。
- [速報]Google AppEngineがついにJavaサポート開始!
- Javaをクラウドに乗せる「VMforce」、セールスフォースとVMwareが共同提供
- Amazonクラウド、ついにJava対応PaaSの「Beanstalk」発表。Ruby on Rails対応も準備中
- レッドハット、オープンソースによるIaaS基盤「CloudForms」と、PaaS基盤「OpenShift」を発表
- [速報]VMwareがPaaSの提供開始、Java、Rails、Node.jsなどサポート。オープンソースでも公開
これらのPaaSにほぼ共通するのは、Herokuと同様にJ2EE/JEEを重視していないことです。しかしJEEもPojoを取り入れ、マルチテナント機能などのクラウドをターゲットにした進化を検討し、クラウドへの対応を進めているとされています。クラウドのための新たなフレームワーク競争がJavaを舞台に始まっています。
あわせて読みたい
[速報]VMware、企業向けのDropbox機能「Project Octopus」発表。HTML5対応のリモートデスクトップ「Project AppBlast」も。VMworld 2011
≪前の記事
[速報]VMwareはインフラ、アプリケーション、デスクトップの3つをクラウド化する。VMworld 2011