FCoE vs 10GbE+iSCSI、どちらが速い? ネットアップとブロケードが共同検証
Fibre Channelのストレージエリアネットワーク(SAN)と同等の機能をイーサネット上で実現するFCoE(Fibre Channel over Ethernet)。FCoEでは、10ギガビットイーサネット(10GbE)のデータリンク層に相当する部分をDCB(Data Center Bridge)という技術で拡張し、パケットロスなどをほとんどなくすなど信頼性や性能を高め、その上にFibre Channelのプロトコルをのせています。
FCoEの登場によって、これまで物理的に分かれていたSANとLANの2種類のネットワークは、イーサネットで統一されようとしています。
しかしイーサネットでブロックデバイスとしてのストレージにアクセスするならば、iSCSIを利用してもいいはず。iSCSIとはSCSIプロトコルをIPネットワーク上で利用する技術。10GbEなら当然iSCSIも高速に動作するはずですから、わざわざFCoEを使わなくても10GbEとiSCSIでLANもSANも統一すればいいのでは?
データベースサーバなどではiSCSIよりFCoEが有利
「FCoEと10GbE+iSCSIのどちらがよいのですか? とはよく聞かれる質問です」と、昨日2月23日に都内で行われたストレージベンダ「ネットアップ」のイベント「NetApp Innovation 2011 Tokyo」で行われたセッション「FCoEによって実現する真のインフラ統合」に登壇した、ネットアップの竹谷修一氏。
このセッションではその疑問に答えるべく、ネットアップとブロケードが共同で行ったFCoEの検証結果を説明しています。その中から以下の2つの結果を紹介しましょう。
- FCoEと10GbE+iSCSIはどちらが速いか?
- 8Gb Fibre ChannelとFCoEの実効速度差
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検証環境はWindows Serverを搭載したx64サーバ、ブロケードのスイッチ、ネットアップのストレージによる構成です。
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さて、FCoEとiSCSIの比較結果をみてみましょう。ブロックサイズが小さいときにはFCoEの方がスループット、IOPSともによく、ブロックサイズが大きくなるとiSCSIのほうがよいようです。以下は資料の中からグラフを引用しました(見やすいように色などを加工しました)。
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次はレイテンシです。一定の負荷がかかった状態でのレイテンシは、ブロックサイズが32KBのときにiSCSIはFCoEの約2倍に。これはサーバ側でiSCSIの複雑なプロトコル処理をCPUが行っているためで、処理が集中しがちなデータベースサーバやメールサーバ、グループウェアサーバなどではFCoEが有利と説明されています。「ギガビットイーサネットではiSCSIもいいと思うが、10GbEではちょっと合わないかなと」(竹谷氏)
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FCoEは8Gb FCよりも高性能
続いて、8Gb Fibre ChannelとFCoEの実行速度の比較。8Gb FCの実行速度は6.2Gbps程度、FCoEの実行速度は9Gbps程度となり、スループット、IOPSともにFCoEのほうが上回っているとのこと。
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セッションでは、FCoEを用いることでサーバ、ネットワーク、ストレージの統合が可能になり、性能、リソース、コストの面でもメリットがあるとまとめられています(SFPではなくTwinaxにすると安くなる、という豆知識も紹介されていました)。
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