Amazonクラウド、Memcached互換のキャッシュサービスを開始。1テラバイトのキャッシュも数分で利用開始
Amazonクラウドを運用するAmazon Web Servicesは、クラウド上でMemcachedプロトコル互換のキャッシュ機能を提供する「Amazon ElastiCache」を発表しました。
クラウド上で大規模なオンラインサービスを提供する際にいちばんボトルネックとなりやすいのはデータベースに対するアクセスです。データベース自身をスケーラブルにすることは一般に難しいため、多くのアプリケーションではデータベースの前段にMemcachedによるメモリキャッシュを置いています。
大規模なオンラインサービスで知られるFacebookでは、メモリキャッシュ上に300テラバイト以上のデータを置いていると説明されています。
1テラバイトを数分で用意
これまでAmazonクラウドでメモリキャッシュを利用するには、Memcachedのようなメモリキャッシュのためのアプリケーションをインストールする必要がありました。AmazonクラウドのElastiCacheはそうした作業を不要にし、Amazonクラウドの設定でMemcachedプロトコル互換のメモリキャッシュ機能を利用することができます。
Amazonクラウドが公開しているデモンストレーションでは、1ノードあたり68ギガバイトメモリの16ノードで合計約1テラバイトのメモリキャッシュを数分で用意するようすを紹介しています。
大規模なメモリキャッシュはクラウドアプリケーションにほぼ必須であり、しかも多数のマシンを利用者が自前で用意するのは大変であることを考えると、これをクラウドサービスとして提供する事は理にかなっているといえます。
さらに今後はオンプレミスとクラウドを連係させる際に、オンプレミスのデータベースのデータをクラウド側でキャッシュすることも頻繁に行われるはずです。キャッシュはオンプレミスとクラウドの連係のうえでも重要なコンポーネントとなっていくでしょう。
ElastiCacheは現在ベータとしてAmazonクラウド米国東リージョンのデータセンターで利用可能。数カ月以内に東京データセンターなどでも利用可能になる予定です。