マイクロソフト、SaaSの「Dynamics CRM Online」を1月から投入。競合するセールスフォースのデータ取り込み機能
マイクロソフトは今日11月25日、都内で開催中のイベント「Microsoft Conference 2010」において、SaaSとして提供されるCRM(顧客管理)アプリケーション「Microsoft Dynamics CRM Online 日本語版」を2011年1月から提供開始すると発表しました。
Dynamics CRM Onlineは、Salesforce CRMのデータをそのまま読み込む機能や、帝国データバンクの企業情報との連係サービスなどを用意しており、企業向けSaaS市場での同社の本気度が表れています。
基調講演で発表された内容を紹介しましょう。
Officeとの統合が特徴のSaaS「Dynamics CRM Onlie」
マイクロソフト代表執行役社長 樋口泰行氏。
「Dynamics CRM Online」は、オンプレミス用CRMアプリケーションであるMicrosoft Dynamics CRMよりも先に、来年1月に登場する。クラウド用のサービスがオンプレミスよりも先に出るということは、いかにマイクロソフトがこれに力を入れているかを示している、そこを見てほしい。40カ国、41言語同時出荷。
同社 西脇資哲氏によるデモンストレーション。Dynamics CRM OnlineはSaaSであり、Webブラウザから利用する。
営業が、自分の担当企業の一覧からその企業の詳細情報を表示したところ。
Dynamics CRM Onlineは柔軟なカスタマイズが可能。例えばこの企業情報は、カスタマイズ画面にある右側のフィールド一覧から、画面のドラッグ&ドロップでフィールドの表示内容を簡単に変えることができる。
データのインポート機能。Salesforce CRMからDynamics CRM Onlineに乗り換えたい、というときには、そのままSalesforce CRMのデータを読み込む機能がある。
当然ながら、Officeとの連係もできる。Outlookの画面。Dynamic CRM Onlineとの連係機能があり、Outlookの画面から顧客名をクリックすると、Dynamic CRM Onlineの顧客情報画面が出てくる。オンプレミスとクラウドが連係している。
同じようにOutlookのカレンダからも、クリックすると顧客情報が表示される。
Excelとの連係も。自分の担当企業一覧を手元のPCのExcelにエクスポートできる。
Dynamics CRM OnlineはOfficeやクラウドとの連係で、コスト削減とスピードアップに貢献できる。
帝国データバンクの企業情報が連係
帝国データバンク 常務取締役 鈴木良平氏。
帝国データバンクは1900年から企業の信用調査をしてきた。現地現人を重視し、現在は1600人の調査担当者が企業を訪問して調査を実施している。対象は135万社にのぼり、商取引におけるインフラだと考えている。
マイクロソフトのDynamics CRM Onlineと連係し、新たな企業情報の提供サービスを開始する。
例えば、新規の取引先の情報をDynamics CRM Onlineに入力すると、帝国データバンクの企業情報サービスと連係、その会社が特定され、その企業の今後の取引においての可否判断がでてくる。
企業の情報は毎日変わり、それは企業情報サービスにリアルタイムに送られる。既存の取引先でも、与信限度額はいまのでいいのか、リスク評価などトータル的で管理でき長く使っていただける。
最近では与信管理まで含めて企業内システムを構築したいというニーズが高まってきており、マイクロソフトのDynamics CRM Onlineがのわれわれが考えているものに近く、拡張性などを評価した。
サービスは来年2月に開始する予定だ。
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