JavaScriptエンジンが改良されたIE9 Platform Preview 4公開
3月中旬に公開されたInternet Explorer 9の開発者向けバージョン(以下IE9 Platform Preview)はアップデートを繰り返し、数日前にIE9 Platform Preview 4の公開が開始されました。
IE9 Platform Preview 4での改善点については、IEBlogのエントリ「HTML5, Modernized: Fourth IE9 Platform Preview Available for Developers」で詳しく紹介されていますが、今回注目すべきなのは、JavaScriptエンジンのChakraがIE9の本体に統合されたところでしょう。
JavaScriptエンジンをブラウザ内部に統合
解説によると、これまでのInternet ExplorerではJScript、VBScriptなどの複数のスクリプト言語をサポートするため、スクリプトエンジンがInternet Explorerの外部に存在し、それをブラウザ本体とCOMでつなぐ構造になっていたとのこと。以下の図は、IEBlogからの引用です。
しかしIE9 Platform Preview 4からはこれを改め、ブラウザ内部にJavaScriptエンジンを統合しました。これにより、JavaScriptエンジンがより高速に動作するようになったとしています。
また、IE9からはJavaSciptの対応バージョンは最新のECMAScript 5th Edition(ECMAScriptとは、JavaScriptの基となる仕様の名称)準拠となっているようですが、IE9 Platform Previewに対するフィードバックにより、ECMAScript 5th Editionの仕様のバグを発見しています。
具体的には、ECMAScript 5th Editionの仕様とそれ以前のECMAScriptで動作に違いがあることがIE9 Platform Previewにより発見され、過去との互換性維持のためにECMAScript 5th Editionの仕様のアップデートにつながったとのことです(詳細は「How IE9 Platform Preview Feedback Changed the JavaScript Standard」参照)。