主要ブラウザのHTML5互換テスト結果、W3Cが公表。HTML5時代のブラウザ互換性は、より高くなる
主要なWebブラウザの開発バージョン、IE9、Chromium 9、Firefox 4、Opera 11、WebKitなどに対してHTML5テストスイートを実行した結果をW3Cが「HTML5 Test Suite Conformance Results」として公表しています。
これはW3CがHTML5におけるブラウザの互換性について非常に重視していることの表れです。W3CはHTML5仕様のドキュメントの中でも、以前より事細かく仕様を記述していますが、テストスイートの提供はある意味で「コードによる仕様の定義」がさらに加わったといってもいいでしょう。
より高い互換性が実現へ
テストスイートには現在212のテストが含まれているとのことですが、まだ開発中であり、現状の結果はあくまでも暫定的なものとして参照すべきと注意書きがされています。ですから現時点でこの結果を基にあのブラウザのHTML5対応が進んでいる、遅れている、というのは少し気が早いようですが、しかし結果に注目が集まるのは必然です。
HTML5への主要なブラウザの対応状況については、これまでブラウザベンダ自身による情報提供のほか、「When can I use...」などの有志による確認などが行われていました。今回、W3Cが自らのテストスイートを開発しつつその結果を発表する試みをはじめたことにより、この情報がオフィシャルな対応状況を示す決定版となることは間違いありません。
これまでドキュメントとして提供されてきたHTML5仕様に、クリアすべきテストスイートが提供され、その結果が公表されるようになることで、仕様がより明確かつ厳密になることが期待できます。HTML5時代のブラウザがいまのブラウザよいもより高い互換性を持つことは確実でしょう。