Google App Engineのロードマップ。半年以内に30秒制限もスピンアップ待ちも撤廃?

2010年3月30日

Google App EngineのWebサイトに「App Engine Product Roadmap」と名付けられた、文字通り今後のApp Engineのロードマップを説明したページがあります。

App Engine Product Roadmap - Google App Engine - Google Code

このページに書かれている説明によると、ロードマップとして挙げられている項目はApp Engineチームによって開発が進められており、多くは6カ月以内に実現することを意図しているとのこと。また、項目はつねに更新されているとのことです。

ただし、このページに書かれているロードマップの項目はすべてが具体的に書かれているわけではないため、実際にどのような実装として登場するのか分からないものもあります。

Javaのプログラミングなどに詳しいスティルハウスの佐藤一憲氏は、このロードマップを独自に解釈したエントリ「 #appengine の未来はこうなる!」を2日前にブログにアップしています。今後Google App Engineはどうなると予想されているのでしょうか。それぞれを見ていきましょう。

6カ月以内に30秒制限は撤廃されるのか?

まずは2010年3月30日現在の、「App Engine Product Roadmap」ページに掲載されている項目を見てみましょう。以下のことが実現予定とされています。

  • SSL for third-party domains
    サードパーティ用SSL対応
  • Background servers capable of running for longer than 30s
    30秒以上の実行をバックグラウンドサーバで可能に
  • Ability to reserve instances to reduce application loading overhead
    アプリケーションをロードするオーバーヘッドを減らすために、インスタンスを予約可能に
  • Ability to select different availability vs. latency options for Datastore
    データストアに対して、アベイラビティとレイテンシのどちらを優先させるか選べるようにする
  • Support for mapping operations across datasets
    データセットにまたがるマッピング操作に対応する
  • Datastore dump and restore facility
    データストアのダンプとリストア機能
  • Raise request/response size limits for some APIs
    いくつかのAPIでリクエスト/レスポンスサイズの上限を引き上げ
  • Improved monitoring and alerting of application serving
    アプリケーションのモニタとアラート機能を向上
  • Support for Browser Push (Comet) communication
    Cometによるブラウザプッシュ通信に対応
  • Built-in support for OAuth & OpenID
    OAuthとOpenIDのサポート
#appengine の未来はこうなる! - スティルハウスの書庫

これらについて佐藤氏は次のような具体的な予想を挙げています。重要そうな項目をいくつか引用して紹介します。

  • Google Appsで独自ドメインをApp Engineに割り当てたときもSSLを使えるようになるであろう
  • 忌まわしき30秒制限から開放されたバックグラウンド処理が可能になるであろう。Task Queueのタスクでさえ30秒制限があるのでバックグラウンド処理も細切れにする必要がありましたが、それが不要になるであろう
  • 忌まわしきスピンダウン/スピンアップを回避できる有料オプションが追加されるであろう
  • MapReduceがサポートされるであろう
  • 現状、リクエストとレスポンスのサイズには最大10MBという制限がありますが(Blobstoreは最大50MB)、これが解消されるであろう

30秒を超えた実行、スピンダウン/スピンアップの待ちの改善については、悩まされているデベロッパーが多いと想像されるので嬉しい項目なのではないでしょうか。ただし、後者は有料オプションではないかと佐藤氏は予想しています。また、MapReduceが容易に利用できるようになれば、Google App Engineの新たな利用分野が広がりそうです。

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