Amazon S3の耐久性は99.999999999%。こんなに高い耐久性がいらない人向けのオプションが登場
AmazonクラウドにはAmazon Simple Storage Service(Amazon S3)と呼ばれるストレージサービスがあります。Amazonクラウドのブログに投稿された記事「New: Amazon S3 Reduced Redundancy Storage (RRS)」によると、その耐久性(durability)は99.999999999%(イレブンナイン)。
ブログの説明を借りると、これはAmazon S3に1万個のオブジェクトを保存したとして、そのうちの1つが障害によって失われるのに平均で1000万年ほどかかるレベル。これは、S3領域の複数の機器に対する冗長構成によって実現していると説明されています。
you can simply store your data in S3 without having to worry about backups, scaling, device failures, fires, theft, meteor strikes, earthquakes, or toddlers.
S3にデータをただ保存するだけで、バックアップやスケーリング、デバイスの故障、火事、盗難、隕石の落下、地震、あるいは子どものいたずらといった心配から解放される。
ただし耐久性(durability)と可用性(availability)は別です。可用性はシステムが稼働し続けることを保証するレベルのことで、耐久性とはデータを失わないことを保証すること、と考えられます。Amazo S3の可用性は年間99.99%とされています。
耐久性を普通にしたAmazon RSS提供。Amazon S3よりも33%割引に
Amazonクラウドは、これほどの耐久性を必要としない利用者に対して、Amazon S3 Reduced Redundancy Storage(Amazon RSS)を発表しました。こちらの耐久性は99.99%。1万個のオブジェクトを保存していた場合、毎年1個のオブジェクトを失う可能性があると説明されています。ちなみに可用性は通常のAmazon S3と同様に年間99.99%。
利用価格は耐久性が低い分、Amazon S3よりも約33%安くなっているとのこと。
クラウドは開発者自身でデータを分散したり冗長化することで信頼性をあげる工夫をすることが可能です。ですから、自分でデータを冗長化して耐久性を高められるアプリケーションを開発できる利用者ならば、安価なオプションを利用してもいいでしょう。
こうした選択肢が用意されることで、冗長性を自ら高めるようなアプリケーションが登場してくるのかもしれません。