Amazonクラウドから「1円クラウド」(自称)登場。Amazonクラウドの値下げが続く
Amazonクラウドから、1時間あたり約1.8円(Linux/Unixの場合$0.02、Windowsで$0.03、1ドル90円で計算)、24時間で約43円、1カ月で約1300円という低価格のインスタンス「Micro Instance」(マイクロインスタンス)が発表されました。
ちなみに表題の「1円クラウド」は、Amazon社内(の一部)でこのマイクロインスタンスがそう呼ばれているそうなので、その名前を拝借しました:-)
社内の一部では「1円パチンコ」ならぬ「1円クラウド」って呼んでますww RT @KenTamagawa: スポットで1円切って RT @oranie: 1時間2円以下!? RT @namikawa: RT @KenTamagawa: マイクロインスタンス #jawsug
1分あたり数10程度のリクエストを想定
これまでAmazonクラウドでの最小インスタンスは1.7GBメモリ、1EC2 Compute Unit(2007年時の1GHzのXeon CPU相当)の性能を提供するSmall Instanceでしたが、マイクロインスタンスはその下位に位置するインスタンスとなります。
マイクロインスタンスで提供される仮想マシンの性能は、613MBメモリ、一時的に最大2EC2 Compute Unitsとなっており、通常の性能としては「少しのCPUリソースが提供される」という表現にとどまっています(英語版のMicro Instancesの解説より)。
Instances of this family provide a small amount of consistent CPU resources
つまり、ふだんは大した性能を提供しないけど、負荷が高まったら少しの間だけ大目に見ましょう。という感じのインスタンスのようです。
今月から日本でAmazonクラウドのエバンジェリストに就任した玉川憲氏が書いたAmazon Web Services ブログのエントリでは、
このマイクロインスタンスは、それほどトラフィックが多くないwebサイトやwebアプリケーションをホストする目的で設計されたものです
と説明され、大まかにいって1分あたり数10程度のリクエストを想定しているとのことです。
また、このマイクロインスタンスでは標準でストレージ機能が含まれていないため、利用には別途AmazonクラウドのAmazon Elastic Block Store(EBS)と組み合わせる必要があります。ですから実際の利用コストは、前述のマイクロインスタンスの費用にEBSの費用などを合わせたものとなります。
レンタルサーバなどとも競合価格帯に
Amazonクラウドは9月1日に、高性能なインスタンスであるHigh-Memory Double Extra LargeインスタンスとHigh-Memory Quadruple Extra Largeの値下げを発表したばかりでしたから、ハイエンドとローエンドの両方で価格を下げてきたことになります。
マイクロインスタンスは、レンタルサーバやホスティングサーバなどとも競合する価格帯になってきました。もうすぐ発表されるとみられるAmazonクラウド 東京データセンターの稼働が開始されるとなれば、そうしたサービスを提供してきたベンダにもクラウドの波が影響を与えることになるかもしれません。